【その話って事実?】フィナステリドとデュタステリドの本当の違いは?
フィナステリドとデュタステリド
商品名で言うとプロペシアとザガーロ どちらもAGAクリニックなどで薄毛治療をしようとすると必ず聞く薬の名前ですね。
で、気になるのは結局どっちを選ぶべきなの?ってこと。
- デュタステリド(ザガーロ)の方が効果は高いって聞いた
- お値段はフィナステリド(プロペシア)の方が安い
- デュタステリドが完全上位互換ならなんでフィナステリドも取り扱ってるの?
- デュタステリド(ザガーロ)の副作用は?
なんていろいろ考えるんじゃないでしょうか?
ここでは、そんなフィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ)について、比較した際の効果の違いや特徴、副作用について、おすすめはどっちか?などを書いていきますよ!
- 第一選択はフィナステリド(プロペシア)
- フィナステリドとの違いを比較!デュタステリド4つの特徴とは?
- デュタステリド(ザガーロ)をイマイチおすすめできない3つの理由
- デュタステリド(ザガーロ)の方が太い毛を増やす効果は高い
- まとめ
第一選択はフィナステリド(プロペシア)
結論から言うと、まずはフィナステリド(プロペシア)からスタートすることをおすすめします。
なんでかというと、プロペシアが世界的にみて実績十分と言うのもありますが、もう1つはデュタステリド(ザガーロ)が今ひとつ信用しきれない薬だから。
消去法で考えてもプロペシアなのかな、と思います。
どうしてそんな話になるのか?
それを説明するために、まずはフィナステリドと比べたときのデュタステリドの特徴をお話しします。
フィナステリドとの違いを比較!デュタステリド4つの特徴とは?
フィナステリドと比較したときのデュタステリドの特徴、具体的には以下の4点です。
- フィナステリドより半減期が長い
- 5αリダクターゼI型にも作用を及ぼす
- フィナステリドより副作用のリスクが高い
- フィナステリドより値段が高い
順番に説明していきます。
1.フィナステリドより半減期が長い
半減期っていうのは、「血中の薬物濃度が半減するまでの時間」と思ってください。
半減期が長いってことは、それだけ薬の成分が長い間体内に留まっているって話です。
これはそれぞれの薬の添付文書に載っているので分かりやすいですね。
まずはフィナステリド(プロペシア)の血中濃度の推移。
引用:https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_propecia_tab.pdf
一般的に使用されるのはグラフ右側の1mg。
どちらも同じような傾向にありますが、6時間までで急激に血中濃度が低下し、24時間後ではほぼゼロになるのが分かるかと思います。
そして、こちらがデュタステリド(ザガーロ)の血中濃度の推移。
引用:https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo.pdf
ながーい!
縦軸の単位が違うので単純比較はできません。
それでも12時間経過後からもゆるやかに血中濃度が低下していき、72時間後もまだ成分が体内に留まっていることが分かりますよね。
これだけ、デュタステリドはフィナステリドに比べて長い時間血中に成分が留まっていられるのです。
2.5αリダクターゼI型にも作用を及ぼす
詳細は別記事を見てもらいたいのですが、AGAの原因はDHT(ジヒドロテストステロン)だと言われています。
引用:https://agahairclinic.com/aga/
大雑把に言うと、血中の男性ホルモン(テストステロン)が5α-還元酵素(5αリダクターゼ)と結びつきDHTが発生。
これが髪の毛の元となる毛母細胞の働き抑制し発毛を阻害してしまうというもの。
この5α-還元酵素(5αリダクターゼ)にはⅠ型とⅡ型があり、
- フィナステリド(プロペシア)はⅡ型に、
- デュタステリド(ザガーロ)はⅠ型とⅡ型両方に、
作用することが分かっています。
両方に作用するならその方が良いんじゃないの?
なんとなくそう思いますよね?
薄毛関連のサイトを見ても、 Ⅰ型とⅡ型両方に作用するから薄毛改善効果が高い! なーんて書いているところも結構多いです。
でもこれ、よく調べてみると実は何とも言えないところ。
この薄毛界(?)、ステレオタイプなお話が蔓延しているので注意が必要です。 (その証拠に似たような話をよく見かけるでしょ?)
この辺の話は後述しますね。
今は、デュタステリドが5αリダクターゼⅠ型とⅡ型両方に作用するってことだけ覚えておいてください。
3.フィナステリドより副作用のリスクが高い
先程の「5αリダクターゼⅠ型」にも作用するってところと関連する話。
作用する範囲が広いので、その分副作用も出やすいというのは想像しやすいのでは?
添付文書にはそれぞれ次のような説明が。
↓プロペシアの副作用説明
48週間の二重盲検比較試験において、安全性評価対象276例中11例(4.0%)に14件の副作用(臨床検査値異常変動を含む)が認められた。主な症状はリビドー減退 3 例(1.1%)、勃起機能不全 2 例(0.7%)等であった。〔承認時〕 引用:https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_propecia_tab.pdf
↓ザガーロの副作用説明
日本人120例中、臨床検査値異常を含む副作用が報告された症例は14例(11.7%)であった。その主なものは、リビドー減退 7例(5.8%)、勃起不全 6 例(5.0%)、射精障害 2 例(1.7%)であった。(承認時) 引用:https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo.pdf
どちらの薬も男性ホルモンに作用することから、副作用は男性機能障害に関するものがほとんど。
あとはどちらも主に肝臓で代謝されることから、肝機能に関係する副作用があります。
具体的には、
- 性欲(リビドー)減退
- 勃起不全
- 射精障害
- 肝機能障害
など。
そして気になる、副作用の起こる確率はプロペシア4%に対して、ザガーロ11.7%。 ここでは割愛しましたが、ザガーロの場合日本人に限定しない全症例(557例)に対してだと、17.1%(95例)までその確率は跳ね上がります。
4.フィナステリドより値段が高い
プロペシアやザガーロに限らずAGA治療は医療保険の対象外なので自由診療の領域。
なので、クリニックによって同じ薬でもお値段にバラツキがあります。
が、プロペシアよりもザガーロの方が安いってクリニックは存在しません。
一例として、プロペシアもザガーロも扱っているクリニックの料金表を載せておきます。
クリニック名 | プロペシア (フィナステリド) | ザガーロ (デュタステリド) |
---|---|---|
髪のクリニックseed | 4,900円 | 6,900円 |
AGAヘアクリニック | 5,500円 | 8,000円 |
湘南美容クリニック(※1) | 6,500円 | 8,200円 |
AGAスキンクリニック(※1) | 7,000円 | 8,200円 |
イースト駅前クリニック新宿院 | 7,800円 | 8,000円 |
(※1) 2回め以降の価格
安い順に並べてみました。 やっぱりseedは安めに設定されていますね。
クリニックによって違いますが、その価格差2,000円ってところも珍しくありません。
さて、ここまでデュタステリドの特徴を挙げたところで、最初の結論「どうしてデュタステリド(ザガーロ)がおすすめできないのか?」を説明していきますよ!
デュタステリド(ザガーロ)をイマイチおすすめできない3つの理由
具体的には以下の3点です。
- 副作用率が高く肝臓への影響も懸念される
- AGA治療薬として承認しているのは日本と韓国のみ
- お値段がフィナステリドよりお高い
これも順番に見ていきましょう。
1.副作用率が高く肝臓への影響も懸念される
先にみた通り、ザガーロの副作用が起こる確率はプロペシアの約3倍! 以下ははなふさ皮膚科というクリニックからの引用です。
デュタステリドではほぼ完全にDHTの合成を阻害しますので、性的機能に影響を与える可能性があります。フィナステリドはDHT合成を完全には阻害してないので、性的機能に影響を与える可能性はほとんどありません。 引用:https://mitakahifu.com/disease_pt/aga/finasteride-dutasteride-comparison/
DHTを抑える働きが強いということはその分、男性機能に影響を与えやすいということですね。
そして、もう1つ気になるのはデュタステリドが5αリダクターゼⅠ型にも作用を及ぼす、という点。 徳島県医師会のWEBサイトにはこんな記述があります。
5αリダクターゼは2種類あり、毛乳頭細胞と前立腺では2型、主要臓器(筋肉、肝臓他)では1型が主に働いています。フィナステリドは1型を阻害せず、2型を選択的に阻害しますので、全身への影響はほとんどありません。 引用:http://www2.tokushima.med.or.jp/article/0000183.html
また、別サイトでもこんな記載が。
ではⅠ型がどこに多く存在しているのかというと「全身の皮膚の皮脂腺」と「肝臓」です。頭皮に関していうと、毛根から遠い毛穴の出口付近にある皮脂腺(あぶらを出す腺)にⅠ型は存在しています。 引用:https://o-skin.or.jp/aga/dutasteride-15408/
この5αリダクターゼのⅠ型がどこで活動しているか?という話は文献などによって若干のバラツキが。
ただ、Ⅱ型に関してはAGAと深いかかわりのある前頭部~頭頂部の毛乳頭細胞に発現するということで概ね一致しています。
問題は、 肝臓その他主要臓器で働いている5αリダクターゼのⅠ型を本当に阻害してしまって良いのか? ということ。
後述しますが、発毛効果はフィナステリドよりデュタステリドの方が上です。
ただ、それが何故なのか?という話になるとハッキリしません。
- 5αリダクターゼのⅠ型にも作用を及ぼすからだ
- 単純に血中に成分が長く留まれるからだ
- 5αリダクターゼⅡ型の抑制効果もフィナステリドの数倍だからだ
などなど諸説あり。
もしかしたら、この複数が関係しているのかもしれません。
一方で、デュタステリドが5αリダクターゼのⅠ型にも作用を及ぼすがために副作用のリスクが上がるのが先程の引用の通り。
つまり、5αリダクターゼのⅠ型の活動も阻害することで副作用の可能性が高くなることは分かっているけれども、阻害することでの恩恵はハッキリしないってことです。
肝臓への影響(副作用)は、ザガーロの添付文書にも1歩踏み込んだ形で記載があります。
重大な副作用 肝機能障害、黄疸(頻度不明注1)):AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 引用:https://gskpro.com/content/dam/global/hcpportal/ja_JP/products-info/zagallo/zagallo.pdf
ちなみに、プロペシアの同項目の文書はこんな感じ。
重大な副作用 肝機能障害(頻度不明)注):肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 引用:https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/images/pi_propecia_tab.pdf
書き方が違いますよね?
もちろん、今まで肝臓に何の問題も見られなかった人がザガーロを服用することでいきなり重大な副作用が発生するなんてことは考えにくいでしょう。
頻度不明とされる副作用にそれだけ神経質になる必要も無いのかもしれません。
ただ、フィナステリドとデュタステリドを比較したときにこのような差があることも考えておいて損はないかと思います。
2.AGA治療薬として承認しているのは日本と韓国のみ
デュタステリドはもともと海外で前立腺肥大の治療薬として開発されたもの。(商品名はアボダート、日本での商品名はアボルブ)
このデュタステリドが薄毛治療にも有効ということからザガーロという商品名でAGA治療薬として登場。
2015年にはAGA治療薬として厚生労働省から承認を受けています。
お隣韓国では2009年にAGA治療薬として処方されるようになりました。(商品名はアボダート)
が、AGA治療薬として承認している国は、この日本と韓国の2国のみ。
その理由についてハッキリとしたところは分かりません。
- アメリカFDA(厚生労働省みたいな政府機関)に認可を受けるのに莫大な費用がかかるからだ
- 5αリダクターゼⅠ型も阻害してしまうからだ
などこちらも諸説あり、です。
お金が原因ならアメリカ以外の国でも承認されないのは何故なんでしょう?
これに対して、フィナステリドは世界60カ国以上でAGA治療薬として承認されているおくすり。
どちらのお薬の方が安心感があるか?は明らかですよね。
3.お値段がフィナステリドよりお高い
特徴のところで挙げましたが、クリニックによってはフィナステリドとデュタステリドで2,000円くらいの価格差を設定しているところも多いです。
仮に2,000円差とすると12ヶ月で24,000円の差額に。 AGA治療は長期戦だけにかかるコストは少しでも安く抑えたいところですよね?
フィナステリドであまり効果が思わしくないならデュタステリドに切り替えるって手段もあります。
が、はじめから価格も高い、副作用のリスクも高いデュタステリドを使わなくても・・・と思います。
関連記事:【正直に言います】これがAGAクリニックの本当の費用相場!
デュタステリド(ザガーロ)の方が太い毛を増やす効果は高い
ここまでデュタステリドの気になる点を多く挙げたので、フィナステリドの方が優れているように受け取ったかもしれませんね。
がしかし、です。 今までの流れをひっくり返すようですが、臨床試験の結果からデュタステリドはフィナステリドよりも発毛効果があることは認められています。
引用:https://www.hama1-cl.jp/zagallo/phase_three.html
これが
- 5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型両方に作用するからなのか、
- 血中濃度の半減期が長いからなのか、
- 単純に5αリダクターゼⅡ型の抑制効果も高いからなのか、
- あるいはその複数の影響か、
は分かりません。
ただ、原因は何であれ発毛効果が高いのも事実。
理由は何でも髪の毛が増えるならそっちの方が良いんじゃないの?
って思うかもしれませんね。
ただ、 副作用のリスクも比較的高く、お値段も高いデュタステリドをはじめから選択しなくても良いのでは?って話です。
フィナステリドで十分 ってことも考えられるわけです。
その辺を以前銀クリの医師に聞いたときはフィナステリドで十分効果があるので、あえてデュタステリドを使わなくても大丈夫といった趣旨の回答でした。
まあ、この辺は実際に両方の薬を半年以上使ってみないと何とも言えないところでしょうから、厳密に実験(?)した人は居ないかもしれませんね。
第一選択はフィナステリド、それで抜け毛が一向に治まらずより強い治療に移行するならデュタステリド、で良いのではないでしょうか?
一番発毛効果が強力なのはミノキシジルタブレットなのは間違いないと思いますけどね!(体験談)
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まとめ
- デュタステリドの方が発毛効果は高い
- その反面副作用リスクや価格が高い
- まず始めはフィナステリドで様子を見ては如何?